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異彩ノ雫

第95章  五ノ月 ②




夕暮れせまる花のもと

佇み 水面に目をやれば

さざ波立ちて 風渡る



心の面もざわめきて

ふと 懐かしき名を呼べば

肩にかすかに触れる熱



過ぎし約束のおとないか…



振り向く頬に芳しく

藤の花房 揺れかかり

刹那の夢と香りたつ







【薄紫】



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