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異彩ノ雫

第103章  随想 ①




十人十色。
とは、人ばかりに当てはまることではないのでしょう。


朝露にきらめきながら庭木にかかるくもの巣。
その精緻な美しさに思わず手を止め思います。

くもにも様々いるに違いない。

壮大な計画のもと、分不相応な巣をかけ始めたものの、あえなく糸の在庫切れを起こし頓挫するもの。

綺麗な放射状にかけることが叶わず、ジグザグな仕上がりをみてため息をつく不器用なもの。

そんなことを考えてしまったばかりに、はらう手は躊躇ったままなのです…







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