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異彩ノ雫

第113章  七の月 Ⅱ ②




雨が降れば思い出す…

あの日 あなたが
右の肩を濡らしながら
差しかけてくれた傘の中
ふたりだけの時間が流れていた

雑踏のざわめき
すれ違う車のライト

言葉なく歩く道が
私たちを永遠へ導くようで
遠く 遠く 霞んでみえた…

雨は
時おり やるせなさを連れてくる







【雨】


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