
異彩ノ雫
第132章 随想 ⑥
秋…
好きな季節です
けれどこの秋、◯◯の秋というように語られることが多いのはどうしたことか
スポーツの秋
読書の秋
食欲の秋…
夏の猛暑に耐えて迎えた涼やかな季節にただ身を委ねるだけではなく、何事かに意欲を持つというのは秋にそれをさせる力があるのでしょうね
稲が実りの時を持つように…
自然に任せ心のままに本を手に取る
虚ろなままに空を眺める
そんないつも通りの明け暮れでいる私には、◯◯の、に急かされるように過ぎる回りの時間から取り残される心地よさを感じるばかりなのですけれど…
ところで、人生を四季になぞらえた中での秋は白秋
落ち着きを迎える世代だそうです
秋の夜長にカモミールティーなどを淹れ、北原白秋詩集を開くのもひとつの秋の過ごし方
いつもよりちょっと大人な時間を過ごすといたしましょうか
(了)
