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異彩ノ雫

第136章  恋文 (八)




……想い溢れるままに綴ったこの手紙を
私は出すことを迷っています


ええ

たぶん

投函できないかもしれません


風のせいにして
雨のせいにして…


それでも
あなたに伝えたいことがあるのです



今は何も望みません

けれど
あなたを待つことを許してほしい…

私には待つことなどなんでもないのです
待てなくなることに比べれば…


そして
いつか、という日を夢に描きます
その夢が私のこれからを導いてくれますから




あなた…

愛しています







(了)


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