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異彩ノ雫

第171章  一ノ月 Ⅱ ④




ブラインドの隙間から
傾きかけた陽がひとすじ

背表紙にあてていた指を離せば
かすかなため息が聞こえるようで…


──ごめんね
今日は 私
大海原をゆく海賊の気分なの


隣の棚へと歩く背中を
本たちのざわめきが追いかける







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