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異彩ノ雫

第210章  六ノ月 Ⅲ




下り始めた踏み切りの向こう

あなたの背中が見えたようで

踏み出した一歩を

クラクションが引き戻す



見間違えるはずなどない後ろ姿

けれど

見失ってしまったことを

あなたのせいにして過ぎた日々…



走り過ぎる列車の風が

髪を 胸を かき乱す







【特急列車】


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