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異彩ノ雫

第218章  六ノ月 Ⅲ ⑤




薄雲をなびかせ

赤い月がふわりと浮かぶ



雨を隠した風が

足元から吹き上がり

髪を踊らせる



傍らを走り抜ける銀の猫



何事もない夜の

何事かを願う 夜…



梢に朱色が滴れば

ヒミツの扉がどこかで開く







【宵闇】



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