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異彩ノ雫

第22章  九ノ月




涼風に吹かれながら

水面に小石をひとつ 投げ入れる



広がる波紋に揺れる月影…

哀しく歪む泣き顔にも思われて

息をのむ



語らぬ月に想いをいたせば

胸の奥に波がたち

酔い醒ましのそぞろ歩きも

肩が寒い



虫の音ばかりが心にしみる







【水月】


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