テキストサイズ

異彩ノ雫

第225章  七ノ月 Ⅲ ④




覗きこむ 青いガラス球のなか

無数の気泡が螺旋を描き

陽にかざせば

深い水底に漂う心地して

風の音にうたかたを思う



ずしりと

手のひらに乗るほどの

海ひとつ…



砂色の小筥に入れて

届けよう

あなたが夏の片隅で

心を遊ばせ放たれるように







【ガラス球】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ