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異彩ノ雫

第283章  三ノ月 Ⅲ ③




薄曇りの空へ伸びる枝には
三分ほどにわらう花
吹き抜ける風
揺れる影…


突然に
瞼のうちで記憶が弾ける


── ああ、あの時の言葉はもしかして…


時を経て届いたあなたの想いが
胸に春の嵐を起こす



拳の中 掌にくい込む爪が痛い…







【慕情】


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