ただあなただけを見つめる
第3章 再会
「…なぁ、あんた名前何?」
「え?私?矢沢 夏帆。」
「夏帆…。」
「あなたは?」
「俺は暁(アキラ)。東条 暁。
“あかつき”って書いて暁っていうんだ。」
暁…
「いい名前ね。」
「ねぇ夏帆、バイト終わるの朝方なんだけどさ…会わない?」
金髪をくりくりと指でいじりながらそう言う暁。
「それってデートのお誘い?」
「ち、ちげーよ!
7時に会えないか?」
「んー…」
7時ってまだ寝てる時間なんだけどな…
と思うが、断るのも微妙だ。
「…無理?」
上目遣いで聞く。
まるで子犬みたいだ(笑)
「いーよ。会ってあげる。
でも私その時間はまだオネムだから、家まで来てくれると嬉しいな。」
「わかった!」
ぱあっと笑顔になる暁の顔は本当に楽しそうだった。