ただあなただけを見つめる
第22章 HAPPY BIRTHDAY
何とか怖がる暁をなだめ、クリスマスを始めることにした。
ピザを注文したあと、暁がぽつりと言う。
「てかなにその格好!///」
「なにって…コスプレ。」
「また他の男のお古…?」
上目遣いに私を見る。
この束縛魔め!
「ちーがーう。
これは新品です。」
「そっかあ…。
でもかわいい///」
暁はへにゃっと情けない笑みを浮かべると、チュッとほっぺにキスをした。
泣きそうになったり
嫉妬したり笑ったり、
まったく暁は忙しいやつだ。
そんな感じでイチャイチャしていると、ピザが届いて二人で食べた。
「デザートもあるから食べ過ぎたらダメだからな!」
「あ、ケーキ?」
「あっコラ!
ネタばらしするなー!」
「いや、クリスマスのデザートって言ったらケーキでしょ。
私、もうケーキ食べたい!」
そう言うと、暁は「しかたねぇな~」と廊下に出た。
ワクワクしながら待っていると、白い箱を持った暁が戻って来る。
「開けていい?」
「うん、いいよ。」
箱を開ける私は、すごく子供だったと思う。
「……わぁ」
思わず言葉を失った。
“HAPPY BIRTHDAY
& First Christmas!
KahoAkira”
チョコレートのプレートに書かれたその言葉。
「夏帆、誕生日おめでとう。
そしてメリークリスマス!!」
「………。」
ぎゅうっと背中から抱きしめられる。
私の目からはぽろぽろと涙がこぼれた。