ただあなただけを見つめる
第24章 生きること
翌日、私は旭さんと一緒に産婦人科に足を運んだ。
ここに来るのは二回目。
でも今日は違う。
大切な大切な診察を受けるの。
「おめでとうございます。
妊娠四週目ですね。」
「えっ………!」
前回と同じ先生がにこやかにそう言う。
四週目って……
ほんとに?
「でもまだ16歳ですし、どうなさいますか?」
「どうするって?」
「産みますか?」
先生の真剣な目に口をつむぐ。
私のお腹に赤ちゃんがいる。
暁との赤ちゃん……
暁が欲しがっていた赤ちゃんが……。
先生の言うとおり、私はまだ16歳で…勢いだけで産んで、ちゃんと育てられるんだろうか。
暁との赤ちゃんだからもちろん可愛がるけど……
お金もないし、暁だってこの状況。
幸せにできるのだろうか。
「………。」
お腹をさすりながら悩んでいると、先生が優しく言った。
「まだ時間はあります。
相手の方とよく話して決めてください。」
そうして診察が終わった。