ただあなただけを見つめる
第24章 生きること
しばらくすると、旭さんが車をとめる。
家に着いたんだと思い顔を上げると、全然知らないとこに来ていた。
…俯いていてわからなかった。
キョロキョロと周りを見渡していると旭さんが、
「…行こ。」
とドアを開ける。
「は…ここどこ?」
「暁に会いに行くぞ。」
「………え!?でも…」
暁は私とだけ面会を拒否している。
会ってくれるわけないよ…。
「産むか産まないか、暁に決めてもらおう。
お前がそんなんじゃ一生決まんねーよ。」
「拒否してるじゃん…。」
「無理言ってでも会ってもらうからな。行くぞ。」
旭さんは車から出ると助手席の方に周り、無理矢理私の手を引いて外に連れ出した。
「東条ですが…
面会できますか?」
しばらくして、男の人が「どうぞ」と案内してくれた。
たどり着いた場所は、ドラマとかでよくあるあの部屋だった。
旭さんと椅子に座りしばらく待っていると、ガチャ、とドアが開く。
「入れ。」
冷たい警察の声と共に、暁が顔を覗かせる。
暁は目を丸くしていた。