ただあなただけを見つめる
第8章 バイト
―――……
次の日、私は約束通り30分前に【ADAM】にやって来た。
暁とは途中で別れ、一人だ。
ドキドキしながら店に入ると、旭さんがホウキで床を掃いていた。
「あぁ、夏帆ちゃん。おはよう。」
「おはようございます。」
「荷物はその辺に置いて。」
私は言われたとおりレジの裏に荷物を置いた。
「朝早くにごめんね。
どうせ客来ないから、明日からは来れる時間で来てくれたらいいよ。」
なんて自由なバイト…
と思ったが時間を強制されないのは嬉しいかも。
「私、何したらいいですか?」
「とりあえずレジ覚えよ!」
丁寧に旭さんに教えてもらい、私はレジを覚えた。
なかなか難しかったが、何とかなりそうかな。
「そうそう。その調子でお客さんに対応してね?
じゃあ俺は奥にいるから、何かあったら呼んでね。」
「はぁい」
奥に入っていく旭さんを見送り、私は店内を歩き回っていた。