ただあなただけを見つめる
第12章 キス
「知りたい?」
「え!?」
「うちはねー」
話すんかい!
心の中でツッコミながらも私はおとなしく旭さんに耳を傾けた。
「まぁ主にここのアクセはネット販売してるんだ。」
「あー」
なるほどね。
ネット販売かぁ…
「店だけで売るのもいいけど、やっぱりいろんな人につけてもらいたいじゃん?」
「そうだね。ここのアクセ、かっこいいもん。」
「だろ?(笑)」
旭さんはにこっと微笑むと、机の上にあったシルバーの十字架のネックレスを手に取る。
そしてこちらに来てネックレスを私の手の平にじゃらっと置いた。
「…?」
「これ、夏帆にやるよ。
旭サマの新作!自信作だ。」
「え、でも…」
手の平のネックレスを持ってうろたえる。
「何?気に食わない?
メンズっぽくて無理か?」
「いや…可愛いけど…。」
旭さんの自信作を私がもらっていいんだろうか…。
旭さんは「ふぅ…」とため息をつくと
「仕方ねえなぁ」
手の平からネックレスを奪い、しゃらんと私の首にかけた。