ただあなただけを見つめる
第12章 キス
「ちょ、ちょっと…」
「うん。夏帆は大人っぽいからこうゆうの全然似合っちゃうね。」
鏡越しに言葉を交わす。
胸元に光る十字架…
何かいいな。
「夏帆…」
「………!!」
旭が私の背中に抱き着く。
え…旭さん……?
「ごめん…。しばらくこのままでいさせて…?」
「………。」
コクンと頷く。
鏡越しに映る旭さんの顔が暁にそっくりな気がして
放っておけなかった…。
「夏帆チャン…無防備。」
旭さんはクスッと笑うと、チュッとうなじにキスをした。
ピクンと身体が跳ねる。
旭さんはおもしろがって何度も何度もキスを落とした。
首筋…耳…
気づけば正面を向き合っていて、鎖骨にも。
「夏帆チャン……」
クイッと顎を持ち上げられ、旭さんの綺麗な顔が近づいてきた。
「ん……」
柔らかな感触。
…私、キスされたんだ。