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もし国民的アイドルのマネージャーが風俗嬢だったら

第8章 杉本潤の事情①

館長に案内された特別観覧席には
三人ほど座れそうな
大きなソファーが用意されていて
俺と菜々子は人ひとり分の
距離を空け腰掛けた。

「あッ。飲み物どうします?私買ってきます」
「メニュー表があるから頼めば持ってきて
くれるんじゃないか?」

初めての特別観覧席だった。

「並んで買うのも映画の醍醐味ですよ。
だから私、行ってきます」

菜々子は一般人の感覚を持っていた。

まぁ、当たり前といえば当たり前だが。

風俗嬢イコール人並み外れた
感覚の持ち主という偏見を持っていた。

「じゃ、コーラ買ってきてもらおうかな」

菜々子は普通の女の子かもしれない。

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