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もし国民的アイドルのマネージャーが風俗嬢だったら

第10章 桃井翔の事情①

菜々子が作成した原稿を一気に読み上げた。

「報道部の人に話を聞いたり桃井さんの
これまでのVTRをチェックしたりと
一生懸命でしたよ」
「だからか」

俺特有の言い回しがそのままの状態で
文章となっていて付け入る隙が全くない。

完璧以上だ。

「ところで桃井さん。体調はいかがですか?」
「え?」

……忘れていた。

あれだけ怠かったのに回復している。

「大丈夫そうですね。桃井さんが眠っている
隙に菜々子さんが薬を飲ませたらしいです」

あのキスの感触は……

夢ではなく現実だった。

楽屋のゴミ箱には
液状の風邪薬の空瓶が捨てられていた。

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