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もし国民的アイドルのマネージャーが風俗嬢だったら

第14章 枯葉雅紀の事情②前編

「菜々ちゃん……あのさ……」

こうして俺だけが未だに「菜々子」と
呼び捨て出来ずにいる。

自身の無さの表れだ。

「ん?なぁに?雅紀くん」

菜々子も俺だけには『くん』付けだ。

俺だけに距離を取っているのか。

思えば俺と菜々子のカーセックスは
行きずりの事故のようなものだった。

他のメンバーの詳細は知らないが
きっと恋人同士のような
雰囲気があったに違いない。

俺だけが菜々子の恋人に相応しくない。

俺は祟のメンバーの一人としてしか
菜々子に見られていない。

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