Liar Game 〜1×5〜
第4章 疑惑の印
櫻井「涼野くんさ、友達に言われて気づいたんだよね?」
聖輝「はっはい…」
櫻井「キスマークだって言ったの?」
聖輝「いっいえ!友達が蚊に刺されたのかって勘違いして…」
櫻井「そう…」
聖輝「だから僕も話を合わして…」
櫻井「その友達ってさ、もしかして涼野くんに気遣ったんじゃないの?」
聖輝「えっ?」
櫻井「キスマークだって分かってたけどあえて蚊に刺されたって。」
聖輝「えっ?!」
櫻井「だって普通こんなところ刺されないでしょ、きっと涼野くんに気遣って嘘ついたんだよ。」
聖輝「嘘…」
櫻井「信じたくないよなぁ〜涼野聖輝が堂々とキスマークを付けさせるような淫らな男だって。」
聖輝「そっそんな…違います!!これは櫻井さんが勝手に」
櫻井「は?なに?俺のせいなの?自分だって俺にあちこちキスマーク付けたくせに。」
聖輝「ゔっ…そっそうかもしれないですけど…」
櫻井「まぁいいじゃん、蚊に刺されたってことにしておいても。」
聖輝「はっはい…」
光樹くん…
もしかして本当は気づいてるのかな…
櫻井「気になったことってそれだけ?」
聖輝「えっ?あっはい…」
櫻井「そう、じゃあ帰りなよ。」
聖輝「えっ?」
櫻井「用事済んだんでしょ?だったらここにいる必要ねぇじゃん。」
聖輝「そっそうですけど…」
櫻井「それともなに?何か期待してるの?」
聖輝「いっいえ…別に何も……」
確かにここにいる理由はない。
ないけど……
聖輝「……。」
櫻井「電車まだ動いてるから1人で帰れるよね?」
聖輝「えっあっはい…」
櫻井「じゃあ早く帰りなよ。」
聖輝「はっはい…お邪魔しました…」
僕は家を出て、1人駅のホームへ向かって歩いた。