Liar Game 〜1×5〜
第5章 罠
〜櫻井side〜
「お疲れ様でした!」
櫻井「お疲れ。」
マネージャーに家まで送ってもらい、家に帰る。
俺が司会を務める音楽番組の打ち合わせに時間がかかり、午前様。
櫻井「ハァ…疲れた……」
あのAD…説明下手過ぎて時間が押しまくった。
まだ一緒にいた新人ADの方が仕事できてたし。
あいつマジでだるい…内容くらい把握しとけよ!
櫻井「ハァ……ん?」
着信履歴が5件。
しかも分刻み。
電話の相手は……
全部涼野くんからだった。
櫻井「…ククッ…来た来た…」
ツンデレ、いやデレツンの効果が現れた。
普段優しい俺が冷たく接すると、涼野くんはどうなるか?
正解は俺に会いたくなる。
涼野くんは寂しがり屋だから、ちょっと冷たく放つだけでアウト。
耐えて耐えて最終的に甘えたくなってくるはず。
だから5回も電話かけてきたんだろ。
櫻井「…ふふ…あははっ!!」
笑いが止まらない。
本当に止まらない。
涼野くんが俺の予想通りに動いてくれる。
いや、俺が引いたレールを1ミリもズレることなくピッタリと動いてくれるから。
櫻井「あははっはぁ〜涼野くん…きみは本当に最高だよ!」
こんな単純バカはなかなかいない。
きみと出逢えて本当によかったよ。
退屈だった世の中に刺激を与えてくれるから。
櫻井「さてと、明日の朝にでも連絡入れてやるか。」