Liar Game 〜1×5〜
第5章 罠
櫻井「智くん、Cerberus(ケルベロス)ってアプリ知ってる?」
大野「いや、知らない…」
櫻井「Cerberusっていうのはね盗聴アプリのひとつで、遠隔閲覧可能なんだよ。」
大野「遠隔閲覧?」
櫻井「そう、GPS機能だけじゃなくて、パソコンからスマホを通じて周りの音を録音することもできるし、写真も自動で撮ることができるんだよ?」
大野「すっすげぇ!そんな物があるのか…」
櫻井「ふふっ、涼野くんが眠ってる間にさくっとダウンロードしたんだ。」
大野「へぇ…でもさ、ダウンロードしたアプリならバレるんじゃねぇの?」
櫻井「ふっふっふ、実はそれ非表示することができるんだよね。」
大野「非表示?」
櫻井「そう、つまり本人はCerberusをダウンロードしていることに気づかないんだよ。」
大野「おぉ〜Cerberusすげぇ!」
櫻井「ふふ、本当はスマホをなくした時に探す為のアプリらしいけどね。」
櫻井「でも、違う見方をすれば、遠隔閲覧可能になる。」
大野「それってさ…犯罪じゃね?」
櫻井「犯罪だね。」
大野「バレたら…やばくね?」
櫻井「あははっ、バレないよ。だって涼野くんっておバカさんだから。」
そう、涼野くんはバカだ。
だからこそ、俺の獲物として狙われるんだよ。