Liar Game 〜1×5〜
第2章 きっかけ
上野駅。
僕が住んでいる場所の最寄り駅。
駅から徒歩3分のところ、大学まで30分以内に行けるところにアパートを借りて住んでいる。
聖輝「えーっと…櫻井さんどこに車停めるのかな…」
〜♪♪♪
聖輝「あっ!」
ピッ
聖輝「はい、もしもし。」
櫻井『もしもし?今上野に着いたんだけど…』
聖輝「はい、僕も今着きました。えっと…どの辺にいますか?」
櫻井『えっとね、東口のところの角に停めてる。』
聖輝「東口ですね?分かりました、今行きます。」
ピッ
聖輝「えっと…東口……」
車が何台か停まってる。
全部黒色だ…
どれが櫻井さんの車か分からない…
聖輝「えーっと……あれ?」
1台の車に一人の男性が車にもたれている。
その人は帽子を深く被っていて、特に何もする訳でもなくじっとしている。
何してるんだろ…
聖輝「……あっ!」
僕はその人のところへ走って行った。
聖輝「櫻井さん!」
櫻井「こんばんわ。」
車にもたれていた人は櫻井さんだった。
深く帽子を被っていたからよく見えなかったけど、あの腕時計昨日もつけていたから、櫻井さんだって分かった。
聖輝「すみません…黒い車ばっかりだったので…」
櫻井「あははっ、だと思ってここで待ってた。」
聖輝「あっなるほど。」
櫻井「じゃあ行こっか。」
ガチャッ
櫻井「どうぞ。」
聖輝「あっありがとうございます。」
櫻井さんは助手席のドアを開けてくれた。
カッコいい…ジェントルマンだなぁ…
櫻井「よいしょっと。」
運転席に乗った櫻井さんは、エンジンをかけ、ゆっくり車を発進させた。