Liar Game 〜1×5〜
第10章 鎖
櫻井「ごめん…俺…涼野くんのこと放ったらかしにしてて…すごい責任を感じているんだ。」
櫻井「多分だけど…盗撮写真が送られて来た時って…俺が涼野くんからの連絡を無視してた時だったと思う。」
聖輝「あっ……」
櫻井「ごめんね…涼野くんのこと嫌いになった訳じゃないんだ…」
櫻井「涼野くんとずっと連絡取っていたら…俺が壊れそうだったから…」
聖輝「えっ…?」
櫻井「俺さ…彼女いるのに…涼野くんに手を出して…もしかしたら取り返しのつかないことをしてしまうかもしれないって…」
櫻井「だから…自分を戒める為に…涼野くんと良好な関係をいつまでも築けるようにする為に…わざと無視した…」
櫻井「でも、それが結局涼野くんを余計苦しめる形になってしまった…本当にごめん…」
櫻井「だから…涼野くんを守りたい…涼野くんを苦しめた分…きみのことを助けたいんだ。」
聖輝「櫻井さん……」
櫻井「ずっと一緒にいることはできないけど…せめて…涼野くんの気持ちが落ち着くまではそばにいたい。」
聖輝「……。」
櫻井「どうかな?」
聖輝「…僕も…櫻井さんに…そばにいてほしいです……」
ギュウゥ…
聖輝「彼女さんがいてもいいので…そばにいてほしいです…」
櫻井「涼野くん…?」
聖輝「…お願い…そばにいて…?」
櫻井「……。」
僕は櫻井さんを離さなかった。
いや、離したくなかった。
もしこの手を離したら、何処かに行ってしまう気がしたから……
聖輝「……。」
櫻井「…しばらくどこかホテル探して泊まろっか。」
聖輝「えっ…?」
櫻井「ここにいたらまた変なストーカーに狙われるかもしれないし、それに昨日のこと思い出してしんどいと思うから…」
聖輝「…はい……」
僕は荷物をまとめ、近くのホテルに泊まることにした。