Liar Game 〜1×5〜
第12章 悪魔VS悪魔
「ねぇ…何この玉子焼き…」
櫻井「俺の自信作だよ?」
「…あなたって本当料理下手ね…」
櫻井「まぁまぁ、見た目はあれだけど絶対美味いから!」
「ふぅ〜ん…」
家事ができないのは認める。
実際前の彼女に家事をやってもらっていたから。
「いただきまぁす。」
櫻井「いただきます。」
彼女は玉子焼きをひとくち食べた。
「…ゔっ…何これ…しょっぱい!」
櫻井「いやいや、そんなわけ……ゔっ…」
玉子焼きは見事に失敗した。
ちゃんと適量の塩入れたんだけどなぁ…
櫻井「でも、味噌汁は絶対美味いから!」
「まぁ、見た目はいい感じだけど…」
不安そうな顔で味噌汁を飲む彼女。
「……味噌汁めっちゃ味薄いんだけど…」
櫻井「まさか!味噌汁に限っては……味がしない……」
「ハァ…ここまでダメだとは思わなかった…」
櫻井「すいません…」
「でも、よかった。翔に苦手なことがあって。」
櫻井「えっ?」
「だって、翔って頭いいし運動もできるし容姿もいいし…おまけに料理もできたら…釣り合わなさすぎるもん…」
櫻井「釣り合わないなんて…考えすぎだよ。」
「でも…」
櫻井「今は仕事忙しくてなかなか外でデートできないけど…いつかメンバーにお前のことを紹介したいって思ってる。」
「翔……」
櫻井「…ほら、ご飯食べよ?まぁ…美味しくないけど…」
「…うん!」
周りから見たら俺って最高の彼氏だと思う。
でもね、俺は嘘つきだから。
心のないことをスッと伝えることができる。
「玉子焼きうざい…」
櫻井「ごめんって〜」
彼女とのやりとり。
これも涼野聖輝を嫉妬させる為の演技にすぎない。
「翔…これからもよろしくね。」
櫻井「もちろんだよ。」
これからも末長く…
俺の操り人形として頑張ってくれよ。
亜希。