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Liar Game 〜1×5〜

第4章 疑惑の印



聖輝「何これ…櫻井さん…病気なんですか…?」


櫻井「病気?ははっ、病気じゃねぇよ。」


聖輝「えっ?じゃあこれって…」


櫻井「キスマーク。」


聖輝「キスマーク…?」


櫻井「そう。つまり、エッチしている時に相手に付ける『愛の印』だよ。」


聖輝「愛の印…」


この赤い痕が?


何か怖い…


櫻井「ねぇ…これ付けたのってさ…涼野くんだよね?」


聖輝「えっ?」


櫻井「これ昨日朝起きたらこうなってたんだけど?」


聖輝「えっ?!」


昨日の朝から…?


櫻井「ハァ…昨日はたまたまピンの仕事だけだったから誰にも見られずに済んだけどさぁ…」


櫻井「昨日彼女と久々のデートだったんだよ?これのせいでドタキャンしたんだけど。」


聖輝「ちょっちょっと待ってください!!僕こんなの…付けた記憶ありません!!」


知らない…本当に知らないよ…!!


櫻井「でもさ、これ一昨日にはなくて昨日の朝にはあったんだよね、飲み会の時、筋トレの話になって俺みんなに上半身の筋肉見せたよね?」


櫻井「飲み会の時点ではまだなかったキスマーク…でも朝起きたらそれが身体中至るところにあった。」


櫻井「つまり、俺がキスマークを付けられた時間は酔って寝てから起きるまでの間。その時間帯に一緒にいたのって…涼野くんしかいないよね?」


聖輝「そっそれは…そうですけど…でっでも僕…本当に知らないんです!!」


本当にまったく心当たりがない。


聖輝「あっあの、そもそもそれ…本当に昨日の朝あったんですか?」


櫻井「これ?あったよ。」


聖輝「しょっ証拠とか…あるんですか?」


櫻井「証拠ねぇ…」


口だけなら何とでも言える。


あの様子だと証拠はないかもしれない。


聖輝「証拠もないのにそんなこと言わ」


櫻井「はい、証拠。」


聖輝「えっ…?」


櫻井さんのスマホにひとつの画像が映し出されていた。


聖輝「…あっ…!?」


キスマークを付けられた身体と一緒に写っていた。


9時45分を指す時計、昨日の日付と共にテレビに映る朝の報道番組、そして朝日が差し込む窓……


完璧な証拠だ……

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