
大切な人へ
第17章 雨の終業式
「やめろ。藍野は関係ないだろ
俺に話しがあったんだろうが...」
少し大きくなった声で井川くんがさとす
「...この子なんでしょ?」
顔をくしゃっとして涙声になっていく...
私はここにいちゃいけない気がして
俯いていた
バシャバシャと音が近付いてくる...
「おい!!」
井川くんの声に顔をあげると
どんっ!! ...バシャッ!
痛い....
肩を強く押されて後ろに倒れ
傘が転がり大雨の中転んでしまった
「その気がないなら返してよ!!」
顔は見えなかったけど 彼女は泣いていた...
怒鳴るその子を井川くんが静止してる
「やめろ!!二度とこんな事すんな!」
大きな...
大きな彼の声に私もその子も固る
帰れよって小さな声で言うと
その子はとぼとぼ歩いて行った...
「ごめん!大丈夫か?」
傘を傾けて手を差し出してくれる
倒れた拍子に鞄がお腹にあたってしまい
痛くて仕方ない...
つかまるとぐっと引き上げてくれたけど
痛むお腹で前屈みになってしまう
「どっかケガした?」
大丈夫としか言えない
彼は私の傘をとってきてくれたけど
もう私は全身びしょ濡れだった...
冬の雨は冷たい...
私のお仕置きはまだ終わってなかったみたい
