
大切な人へ
第19章 Xmas あなたは私にとって大切な人
席についてパンフレットを渡してくれた
まだ始まる前で会場は少しざわざわしてる
『あの...』 小さな声で話しかける
『ここ...すごくいい席』
「わかるんだ?すごいね」
アーティストのコンサートなら前の方が
いい席なんだろうけど、クラシックなどは違う
音の反響でホールによって少しずつ違うけど
この席は間違いなくいい席なのはすぐわかった
「気にしないで楽しんで?知ってる曲ある?」
パンフレットを一緒に見てると
先生が色々聞いてくれる。作曲のこと楽団のこと
先生に何か教えるのってちょっと新鮮
ふっと照明が落ちて
ステージにはスポットライトを浴びる指揮者
アナウンスが流れていく...
「本日は__にお越し頂き誠にありがとうございます
本日は皆さまのご家族、恋人、そしてお隣に
いらっしゃる方と一緒に聞いていただきたい曲を
そろえております。お楽しみください」
アナウンス終了と共にタクトがふられた
美しい音と迫力、そして愛をテーマにした曲...
私は感動しっぱなしだった
その私の手が横から握られ2人の間のひじ掛けで
恋人つなぎにされていく
隣を見ると少し目が合う... 幸せ...
コンサートは一部と二部に分かれていて
二部は歌手も出てきてカジュアルな曲が多くて
先生もわかったみたい
アンコールも終わり会場が拍手に包まれた
