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大切な人へ

第4章 約束


HRが終わってすぐ指定された科学へ向かう


( __あれ?鍵かかってる)

早くここに来たくて急ぎすぎたらしく
先生より先に着いてしまったようだ


彼を待ちながら窓を開けてみると
そこは正門が真正面に見える位置

5月の風はまだ涼しくて気持ちいい
吹き込む風が髪をさらっとなびかせていた






「おまたせ!」


彼の声がすぐ近くで聞こえて一瞬体が跳ねた

彼はそう言って鍵を開けていて
その間に私は窓を閉めた



「髪長いね ずっと伸ばしてるの?」

『そうですね 中学には伸ばし始めてました』


そんな事を話しながら教室の中へ入り
黒板の近くの机に向かい合わせで座る

(わ…近い…)

もう心臓が騒がしくなっていた
でももっと話したい!



『ここ普段鍵かかってるんですね?』

「うん。薬品もあるし使う時だけ開けるんだ」


やっぱり話しやすい
どうしても 普段の淡々とした授業との
ギャップを感じてしまう



『あの…体育祭の日は
バタバタ帰ってしまって、すみませんでした』

「全然?気にしてたの?」

『はい…無愛想だったなって』


そう言うと彼はクスッと笑った。
それを見逃さない私!


「普段の俺の方が無愛想でしょ?」

『え…そんな事っ…
でもクールですよね 今は親しみやすい感じ』


彼は少し眉をひそめて笑い
ありがとうと言って 教科書を開いた。




彼の色んな表情を近くで見ていた私は
多分顔が赤かったと思う…


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