
大切な人へ
第22章 冬休み
食べたばっかりだし休みたいって言うけど
あなたが体力あるのは知ってますから!!
『どの教科がいい?苦手な数学からいく?』
「本気だな...」
腕まくりをして髪をくくって勉強モードになる
私を見てクスッと笑われた
『これ私のスイッチなの
こういうのあると集中できるからね』
ふーんって言って数学の課題を持ってきて座った
結構近いな...
課題は1ページ目から真っ白だった
「ここから難しい?」
真剣に聞く私に頷く彼に
紙とペンを借りて公式を書いていく
『この公式を使うんだけど理由は_____
この公式の元は1年で習った______。』
公式にアンダーラインを引いて解いてもらうと
すぐ答えが出た
『正解!井川くん呑み込み早いよね』
「すごい解りやすいし」
嬉しそうな彼に私も嬉しくなる
『じゃ次ね___』
公式や解き方を教えるだけでどんどん進んでいく
彼は教えたことが次々できるようになっていって
見ていてびっくりした...
『すごいね...私より覚えるの早いよ』
それはないって照れてる彼に私の紙を見せる
『アンダーライン見て?こうするとどの公式や
問題パターンが多いかすぐ分かるでしょ?
試験前はここから押さえると楽だと思うよ』
じっとそれを見つめる彼
『全部覚えたら100点だ!』
「すごいな...普段こんなことやってんの?」
『私ね...元々勉強できる人じゃないから 笑
こうして自分用に解説ノート作ったりしてる』
井川くんは少し驚いていたけど
多分井川くんが真剣にしたら追い抜かれちゃうよ
