
大切な人へ
第22章 冬休み
食事を終えて電車で会場に向かう
電車も会場もすごい人!人!
大きな公園に特設会場が作られていて
照明もすごく明るいし!初めてこんなとこにきた!
去年はバイトばっかりしてたからな 笑
ライブが始まり凄い音量でびっくり!
知らない曲ばかりだったけど盛り上がってた
紗羅たちは少し前にいて楽しそうに話してる
トンって肩をたたかれて横の井川くんを見上げると
耳打ちで寒いけど体大丈夫?って聞かれた
こんな時まで気にしてくれるんだ...
大丈夫って言おうとしたらフワッてマフラーを巻かれた
井川くんのしてたマフラーだ...
え!いいよ!って言っても聞こえないだろうけど
彼は口パクでゆっくり
耳赤い つけとけ
って言った... すごく優しい顔で...
あったかい
まだ彼の体温が残ってて
香水の香りが鼻をくすぐる
必要以上に温まってしまう体...
最近彼の行動にいちいちドキドキしてしまう
どうしちゃったの?私は晄人さんが好きなのに...
ステージから聞こえる音楽に集中できないくらい
心臓がうるさかった...
