
大切な人へ
第23章 守りたい
大島くんは井川くんと打ち合わせをして
帰っていった…
「昨日切ったんだ?」 うん…
井川くんに聞かれる…
「失恋切りってやつ?」
『違いますー 髪くらい切りますー』
「…髪くらい ねぇ」
そう小声で呟いたけどよく聞こえなかった
HRが終わって今度は担任に呼ばれる…
心臓がもう痛いよ…
『はい…何でしょうか』
職員室に入り担任に話しかける
奥には先生がいる…
「髪さっぱりしたな~!」
その声に先生が振り向き…ブリーズ
『受験も近くなってますから…』
ひきつる顔で答える…前置きはいいから何⁉
「頼もしいな!その事なんだけど…」
よかった…そっちの話か…
先生は学部をもう少し絞って欲しいと言って
私はとりあえず教育学部で とだけ答えて帰る
家に帰った頃先生からメールが届いた
今日夜に話したいって
電話にしましょ?って返した
今日はさすがによくない気がするから…
夜スマホがなってすぐに出た
「あの…髪ってあの後切ったの?」
『はい。それより何か言われましたか?』
「いや。大丈夫 何もなかった」
よかった…
先生は髪の事を気にしてたけどそんなのいい!
先生が無事ならいい!
今日大島くんが来たことを伝えて
会話をそのまま伝えた 何かあれば
話を合わせて欲しいからって…
『先生に何もなければいいの
だから気にしないでください。謝らないで』
「…ありがとう」
最後の声が小さかった…
私が守るから…
絶対に守るから!
