
大切な人へ
第25章 天変地異
「2人に聞きたいことがあります…」
はい と隣から聞こえて私も答えた
「藍野美優さん…」
落ちついて…まっすぐ校長を見る
「成績も優秀で生活態度も真面目だと聞いています」
『いえ…ありがとうございます』
ただ…と言ってため息をついて続ける
「2人が付き合っていると噂がありますが
…本当ですか?」
彼の返事を少し待ってから私が話し出す
『いえ。付き合っていません』
「本当に?」
『はい。ただ…私は鈴木先生が好きでした』
視線をそらさず話す
部屋が静かだ…
『以前それをご本人にも伝えました
でもお断りをされました。きっぱりと…
教師と生徒だからと』
『一時期は納得仕切れなくて、先生に近づきたくて
話しかけたりもよくしました。
でも先生の気持ちは変わらなかった。
迷惑はかけたくなかったので
最近は話しかけるのもやめて離れていました』
『私が勝手にとった行動です
先生は正しかったと思います!
私の軽率な考えでご迷惑をかけて…
すみません!!』
少し彼に体を向けて深く長く頭を下げた…
「そうですか…
私たちも真面目な2人がそんな事になるなど
信じられませんでした…」
「ただ…藍野さんも鈴木先生もまだ若い
何か間違いがあってはいけないので確認しました
今の言葉を信じていいんですね?」
『はい』
「鈴木先生も」
「…はい。大変ご迷惑をおかけして
申し訳ありませんでした」
先生も頭を下げた
私はここを乗りきることで頭がいっぱいだった
この後の事は2人で考えようって思ってた…
