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大切な人へ

第25章 天変地異


どうやって部屋に帰ったかわからない

ただベッドの縁に座ってた…




~♪
ディスプレイの晄人さんの名前にすぐ出る

「今からそっち行っていい?」

待ってますと言うと彼は今までで一番早かった
もしかして車からきたの?

だって今は夜の10時だよ…

私も制服のままだけど


どうぞって言うとここでいいって
ドアの前で立ち止まった…

「藍野さん…」

...... 。

「急に呼ばれてびっくりしたでしょ?
俺もあの少し前に呼ばれたんだ…

かばってくれてありがとう
いつも守ってもらってばっかり…」

私は泣きながら首をふった
私はあなたを守れてなんかないよ


「大切な髪も…英作文も…
いつも作ってくれた食事もありがとう」

『晄人さん…』

やだって言えない…
もう彼を苦しめたくない…

「もうここには来ない…お別れを言いに来た」


『罰は⁉処分はあったんですか?』

ばっと彼に掴まる
彼は軽く微笑んで何も…大丈夫って…

よかった… よかった…
力が抜けた


「もう2年生が終わる…
3年になると多分接点はなくなる…」


「俺のこと忘れて…今までありがとう」



『忘れられるわけない…

2人で考えられない?これからのこと…』


俯いてゆっくり首をふる先生


長い沈黙…
本当にお別れなの…?




『じゃぁ…最後のお願い 抱きしめて…』


彼は躊躇してたけど軽く抱き寄せてくれた


私はいっぱいぎゅってした



離れて少し目が合って…


そのまま彼は出ていった…





彼は最後に
耳元で小さく言った…


「愛してた… 元気で」


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