
大切な人へ
第26章 気付いてた
放課後残って始める前にたまに
缶のホットミルクティーを買ってくれる
「はい。今日もよろしく」
『ありがとう!お願いします!』
優しく笑ってくれることも増えたな...
彼のその顔を見ると自然に私も笑ってる
『井川くんすごいね!中間もかなり上がったし
学年末の順位楽しみだね!』
「まだ受けてないのに言われてもな 笑
でも中間は今までで一番良かったし母親もお前に
お礼言っといてくれって言ってた」
『いえいえ。お母さんも応援してくれてるんだね
私も応援するから頑張ろう!井川くんならできる!』
「...よくそういうことポンポン言えるな。褒め殺し」
『褒められたら嬉しいしやる気でるでしょ♪』
「...藍野はいい奴だよ。よく頑張ってる」
え?
「褒めたらちょっとは元気出た?
作り笑いばっかりすんなよ...どうした?」
まただ...
彼は私の中が見えているらしい
嘘もばれるし 隠し事もできない
特別な目を持っているんだ
「アキトさん」
_____‼
「アキトさんにふられた?」
どうして...?
真っ白になってドクンドクンと鼓動だけが聞こえる
