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大切な人へ

第26章 気付いてた


「その時言われたのってそんだけ?」

頷くとまた彼のため息が聞こえた

「それってさ...お前をふる言葉入ってないじゃん
お別れとか会えないとか...抽象的すぎ。
学校同じなんだからいくらでも会えるっつーの」

井川くん...怒ってる?

「二度と話さないとかもう近づくなとか言えよ。
嫌いだとか好きじゃないとか言えよな...中途半端」


「お前...まだ諦めてないんだろ」  ドクン...

「帰ってきてくれるかもって思いもあるから
どうすればいいのかわからない。」 

「だって相手もお前の事...まだ好きかもしれないから」


そうだ...
私そう思ってた...

このまま彼の言葉のまま受け入れていいのか
わからなかったの...

彼が私を想ってくれてるなら、諦めることが
裏切りになるんじゃないかって


「今から...お前が聞きたくないって思う事言う」

井川くんが隣にきて私の肩に手をかけた

「本当は晄人さんから言われなきゃいけないけど
もう言ってくれないだろうから俺が言う」

苦しそうな顔で私を見つめてる

「もう帰ってこない。
晄人さんの気持ちとかもう考えるな
晄人さんがもう決めたんだ。もう終わりにするって」

終わり... もう決めた...


「失恋...ってやつ」

しつれん...

私は恋を失ったんだ...





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