
大切な人へ
第4章 約束
『はい!今送ったの私です』
ウキウキしてスマホを見つめる
『…晄人(あきと)って書くんですね』
「うん 名前知らなかったでしょ?」
知ってるよ。本当は漢字も知ってた。
名前呼んでみたかっただけだよ
『私のも知らないでしょ?』
「…美優」
視線が交わったまま呼ばれた私の名前
ドクンっと体の中から聞こえて
息をするのも忘れてしまっていた…
スッと彼がスマホに視線を移し解放される
『知ってるんですね…びっくり』
今さら普通を装い口を動かす
「美しく 優しい子…かぁ。綺麗な名前だな」
そぅ言って画面を私に見せる。
ー 新しいお友達 美優 ー
なんだ…それか 笑
『ハードル高いですよね』
ははっと苦笑してしまう
「似合ってるんじゃない?」
_______もう 顔上げられません…
