
大切な人へ
第27章 あなたと離れて
「井川くんと知り合いなんだよね?話してるの見た」
『同じクラスだったの。さっきの2人も一緒で
翔ちゃんは井川くん知ってるの?』
「昔から知ってる。走るの早いし野球うまかったから
今日だって井川くんに負けたようなもんだったでしょ」
『でも打ってたじゃない!ホームランってすごい!』
「昔はよく応援してくれてたよね
今日はそれが井川くんだったから羨ましかった」
ちょっと寂しそうに言われても...
確かに小学生の頃はよく野球見に行ってた
キャッチボールもしてた。翔ちゃんが球拾いだったけど
「井川くんと付き合ってるのかなって思った」
え!?えーーと......
『オトモダチデス』
「絶対違うじゃん!」
大きな声で笑われた...
どうやら翔ちゃんも私の事はわかるらしい
でも本当だもん...
連絡先聞いてもいい?って言われて交換した
「この間美優ちゃんのお母さんにも会ったよ!
久しぶりねって声かけてくれた」
____そっか。元気なんだ
「一人暮らししてるって聞いてびっくりした」
『うん...家からはちょっと遠いからね』
「そう...だね...」
