
大切な人へ
第27章 あなたと離れて
お花見の当日 私は朝から張り切って
お弁当を作っている
担当は私がみんなのお弁当で紗羅と上田くんが
飲み物とお菓子で井川くんは敷物だった
早めに公園について場所を探してると
井川くんから着信でいい場所あったって...
もう来てたの?しかも見つけるの早い!
大きな桜の木の下でシートに2人で座る
天気もいいしお花見日和だねって話してた
昨日の野球の話をしてるとルールも知らないかと
思ったって言われたし...
でも本当にかっこよかったのにな
「惚れた?」
『それとこれとは違うでしょ
井川くん最近そういうの多いよ?』
「だって口説き中だし。
...もうちょっとな気がするけど?」
__‼
意地悪く笑う彼に背を向けた
顔を見られたくない...
紗羅と上田くんもここがすぐわかったみたいで
来てくれた 助かった...
パカッとお弁当を開けると
わぁーってみんなが言ってくれた!
彩りを考えて食べやすくておいしいものって
考えて作ったお弁当はどんどんなくなり完食!
おいしいってみんなが言ってくれて嬉しい
『空っぽだ!ありがとう!』
「こちらこそ。ごちそうさまでした」
ニコッと笑う上田くんに私もニコッとしてしまう
井川くんと紗羅がトイレに立って
私たちがお留守番だ
