
大切な人へ
第27章 あなたと離れて
『上田くんは激甘だよね。優しくて...
甘えてる紗羅が嬉しそうで羨ましいよ』
「彼女や好きな子にはみんな優しいよ
でも2年になって井川ってあんな奴だっけって思う」
『変わったの?』
「うん!彼女ともよくケンカしてたし
井川が冷めてて彼女が切れてる感じだったけど
きついこと言って泣かしたりそれも放置したり...」
ひどいって私がげんなりしてると
慌ててフォローが入るのが上田くんだよね
でも彼女のわがままもすごかったんだよ?って
「でも2年になって藍野さんに出会って、優しくなった
藍野さんには特にだけど周りにもね
まぁ 口は悪いままだけど 笑」
『そうなんだ...私は優しい井川くんしか知らない』
「よっぽど藍野さんのこと好きで大事なんだと思う」
俯く私に上田くんは続けた
「好きなだけじゃなくてさ...支えたいとか守りたいとか
何かしてあげたいって...そう見えるよ」
それって...
私が先生に想ってたことと同じだ...
「俺はお前が泣いてなきゃいい。笑ってたらいい」
そう言った井川くんの事を思い出した
いつもいつも助けてもらいっぱなしだね
