
大切な人へ
第28章 波乱の体育祭
学年最初のイベントは体育祭
もう3年目になると準備もスムーズで
今年もまた4人で旗を担当する
井川くんは野球を頑張りたいって言ってたし
他の3人も応援してたから居残りはなしで
「懐かしいね!これ描いてる時に
仲良くなっていったんだよね?私たち」
『そうだね!あの時紗羅が手伝うって言ったから
上田くんOKしてくれたでしょ?』
え?って紗羅が上田くんを見た
「ばれてた?笑 一緒にしたいなって思って」
「そうだったんだ…ありがとう」
紗羅が嬉しそうで微笑ましい
「でも井川はあれより前から藍野さんのこと
好きだったよ?」
『うん…前に教えてくれた…』
上田くん知ってたんだ…
前に聞いたやつだよね?ペン貸した時の
井川くんがいないからって言っちゃうんだね 笑
紗羅は知らないらしいから何?って聞くけど
本人いない時には言えないかな ごめん!
「だから1年も待ってたんだもんな…すごいよ」
「そっか。実るかわからないのに思い続けるって
すごいよね…美優はすごい愛されてるね!」
『うん…私幸せ者だね
もっともっと井川くんの事好きになりたいな!
待っててくれた分も私も大事にする!』
井川くん喜ぶよって2人も言ってくれた
これは今思う本当の気持ち
…だよね?
井川くんが好きなのも大事なのも本当だもん
でもやっぱりわからないよ…
思い出を過去にするって
どうしたらできるのかな…
