
大切な人へ
第28章 波乱の体育祭
今年の旗もよくできてて
上田くんは色んな先生に褒められていた
将来はウェブデザイナーになりたいんだって
なんかカッコイイね!似合うと思うな
また4人で旗の前で写真を撮った
去年は長い髪をポニーテールにしてたけど
今年は短いからそのままおろしてる
また長く伸ばしたいな...
あれくらいになった頃、私の気持ちは整理できてるかな
始まった体育祭では運動できる2人は大活躍だった
私は相変わらずだったけど2組はいい成績だ
午後最初の競技は部活対抗借り物競争
ほぼ3年生が参加するこの種目ももちろん2人は参加
私は紗羅と一緒に応援の為 ゴール少し手前で見てた
え?
選手の中に黒いジャージの先生が混ざってた...
確かに教師も参加してもいいんだけどさ
そういえば彼が走る姿ってちゃんと見たことなかった
スタートラインに立ってピストルがなった...
やっぱり速いんだね
紙の場所についたのは一番だった
走る姿もかっこよくって目で追ってしまう
去年の体育祭で先生の笑顔に
引き込まれた瞬間を思い出す
紙を持った先生がすぐにまた走る
こっちの方へ...
目が合った...?
...えっ!?
「藍野さん!来て!お願い‼」
彼に手を握られて
トラックに連れ出されてしまった
うそ...
