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大切な人へ

第28章 波乱の体育祭


うわ...
私先生と手を繋いで走ってる


パニックの頭の中でそれだけはしっかり実感してた



ゴールテープを切ったのは私たちだった
私の初めての1着だった

足の遅い私が息を切らしている間に
先生は借り物のチェックを受けていてOKだったみたい

「ごめんね ありがとう助かった」


笑顔でそう言ってくれて...行ってしまった


近くでまたあの笑顔を見られて

私はまた...去年と同じ感覚に落ちてしまいそうで...


涙をぐっとこらえて紗羅の元に戻っていった


結果は1位陸上 2位野球 3位バスケ 4位サッカー

サッカー部は紗羅曰く くじ運が悪かったらしい


井川くんはどうだったんだろう

走るところも見れなかったし...
私たちのこと 見てたよね

帰ってくる選手の中に井川くんがいない
上田くんにかけよって聞いてみる

『井川くんは?』

「終わったらいなくなってた」

それを聞いて急に不安になって
探してくるって走り出してた


でもどこにいるんだろう
携帯なんて持って行ってないし

とりあえず校舎の方へ行ってみた
ケガじゃないよね?医務室から行ってみようと
中庭に近づくと声がする...


井川くんと...先生だ...

血の気が一気に引いていく


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