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大切な人へ

第29章 何があったの?


キスマークはなかなか消えなかった

だからつけないでって言ったら
見せてって言われてまたつけられた

私は元々アザが消えにくいのに...
ちゃんと消えるのかなって見る度に不安になる


「おはよ。美優」
『おはよ』

私の顔を見て井川くんがふっと笑う

『何?』 「別に?」


どう考えても意地悪なこと考えてる顔だ...


「おはよう」
『おはよ!あれ? 紗羅は一緒じゃないの?』

上田くんの声に振り向き返事をしたら
いつも隣にいる紗羅がいなかった

「違うクラス寄ってからくるって」

そっかって言って彼を見て気が付いた


『上田くん ちょっとこっち向いて?』

私を見る彼の顔に手を伸ばす


パコーンっ‼

『いたっ‼何⁉』


触れる寸前に丸めたノートで井川くんにぶたれた
痛くないけどびっくりした

「そういう事を言ってんだよ‼」
『だから何の事⁉』

むっとして言い返す

「それが隙だっつってんの!
誘ってるように見えるって」
『何それ‼まつ毛取ろうとしただけでしょ‼
上田くんは友達でしょ⁉そんな言い方しないでよっ』

大きな声でそんな事言われて恥ずかしくて
真っ赤なのがわかるけど反抗する

「触ることないだろうが!」  ポコッ‼
『もーポコポコ叩かないでよ‼』


まぁまぁって上田くんが笑ってノートを取ってくれた


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