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大切な人へ

第30章 夏への日常


中間試験が終わって井川くんは野球漬けです

見に行ったらじゃまになるだけだし
教室では毎日会えるから寂しいなんて言いません

でも
放課後残って勉強することもないし
私の家にくる時間だってないから本当はちょっと寂しい



「藍野先輩!」
『わぁ!美咲ちゃん!久しぶりだね~』

お昼休みに突然の再会があった
中学の吹奏楽の1年後輩だった美咲ちゃん

成績良かったもんね!この学校受けたいって言ってた

『美咲ちゃんやっぱり受かってたんだ!頑張ったね!』
「はい!先輩もすごく頑張ってましたもんね
吹奏楽部からは多分私たちだけですよ」

ポカンとする3人に紹介する


『こちら2年生の川野美咲ちゃん。部活の後輩だったの
話すの卒業以来だね 笑』

「なんか...すごい綺麗なグループですね」

3人を見てちょっと赤くなってる
まぁでも...そうかも 笑


『急にどうしたの?私に何か用事?』

美咲ちゃんはそうだって思い出したように
ぎゅっと私の手を握った

「先輩!今年の文化祭で歌ってもらえませんか?」


『ええぇっ‼⁉』

文化祭...
この学校で私の一番嫌いな行事だよ...

「いいね!美優歌いなよ~!」

紗羅が嬉しそうに横にきた

「知ってますか?先輩歌もうまいの」
「知ってるよ!歌うって吹奏楽の前で?」
「いえ!別にバンド組んでてボーカルお願いしたくて」

待って...
私やるって言ってないよ2人とも...




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