
大切な人へ
第30章 夏への日常
『いらっしゃい!お疲れさま!』
井川くんはユニホームのまま来てくれて
すぐお風呂に入ってもらった どろだらけ 笑
夕食も一言だけ美味しいって言ってくれて
全部食べてくれた それだけですごく嬉しかった
「すっげー嬉しそうだな」
『嬉しいよ!こんなに近くに座るの久しぶりだもん』
疲れてるのに会いに来てくれたんだもんね
食後のコーヒーを入れてぴったり横に座る私
「じゃなんで普段あんな離れてんの?」
私は普段自分からくっついたりしない
一番近くて移動教室の時に横を歩くくらいかな
『だって井川くんあんまりベタベタされるの
好きじゃないでしょ?紗羅みたいに手繋いだりとか』
本当は紗羅みたいにいっぱい甘えたいけど...
今言ったのも本当だけど...学校ではやっぱりできないよ
見られたらどうしようって...まだ思っちゃう
「確かにあそこまではちょっとな 笑
でも少しなら。あんな欲求不満な顔されるよりまし」
『__!! そんな顔「してたよ」
彼の方を見あげたらすごく近くでそう言われて
優しくキスしてくれた...
カップを置いて胸元に頭を引き寄せてくれる
手も胸も温かくてほっとする...
「野球ばっかでごめんな
でも今しかできないから...やり切りたい」
『うん。応援してる 頑張ってね』
だから寂しいなんて言わないよ
でもこうして一緒にいられるのが嬉しいから
ちょっとだけなら言ってもいいかな...
『今日も疲れてるのに来てくれて嬉しい
無理しないでほしいけど...たまにでいいからね?
またご飯食べにきてほしいな...好きなの作るから』
彼の背中をぎゅっとして甘えた
