
大切な人へ
第5章 終業式
泣きつかれ 少しずつ落ち着いてきたころ
私の顔は酷いことになっていた
まだ学校なのにな…
そう思うと少し笑えた。
バシャバシャと
思いっきり顔を洗う
少しさっぱりしたけど
髪まで結構濡れちゃった 笑
帰りたかったけど、カバン教室に忘れた。
仕方なくとぼとぼ教室に戻ると
ポツンと私のカバン。それと_______え?
声にしてない気がしたけど、その人は
ゆっくり体を起こしてこちらをみた…
『どして…井川くん』
何も言わずじっと向けられる視線が痛い…
ふっと突然笑いだして
「どうした?プールにでも落ちた?」
はっとして濡れた髪を隠す
「それかグラウンド走ってきた?」
『そんなわけないでしょ‼』
言い返す私にケラケラ笑う彼につられて
私も少し笑ってしまう
「腹へった。飯いかない?」
『え……』
こんな顔で行きたくない
困っていると彼が言った……
「……告られたんだろ?なんで泣いてんの」
