
大切な人へ
第5章 終業式
私は言葉を無くして立ち尽くす…
「…なんかされたの?」
ぶんぶんと大きく首をふる
「じゃ何。
イケメンに告られてよかったじゃん」
少し恐い声。
頬杖をついて無表情で見つめる彼
はぁ…と息をついて続けた
「イケメンだけどふっちゃった~」
…⁉
「だって私には釣り合わないし?」
何…言ってるの…
「モテるのもこまるな」
やめて……
『……っ ……グスッ 』
頬を伝う涙、涙、止まらない…
「うわっ…‼」
ガタンッ
そう聞こえると
ふわっと目の前が暗くなった…
「ごめん…泣かすつもりじゃなかった…」
頭の上から聞こえてくる彼の声
私は抱き締められていた
